磨くは原石、精製は油脂

SixTONESについてのごくごく個人的な話をします。

【強かな男】田中樹の音楽的素晴らしさを語る。

 強かな奴って、カッコ良いと思いませんか。

 

 『強か』と書いて"したたか"。

 

 この言葉を良い意味で体現しているな、と思うアイドルがいます。

 

 その人の名前は、 田中樹。

 

 SixTONESのラッパーとして、提供された曲のラップをするのは勿論、Jr.時代より自らリリックを書きライブのソロコーナー等で披露。

 3rdシングル『NEW ERA』期間限定盤収録のカップリング『So Addicted』ではラップ詞を全て英語で書き、ファンの間のみならずその音源を聴いた人々の間でも話題となりました。

 

 今回は、そんな俺らのラッパー田中樹の音楽的素晴らしさを語ります。

 

 

 

まえがき(という名の保険)

 最初にはっきり申し上げますと、自分は音楽に関する専門性や豊富な知識等を持ち合わせた者では一切ございません。

 ただの音楽と考察が好きなスト担です。

 強いて言うならば声フェチってことくらいでしょうか。

 したがって、以下の内容は筆者による超個人的な見解&考察ですので予めご了承下さい。

 間違えている事があれば(出来れば優しく)教えて頂きたいです。宜しくお願いします。

 

 

田中樹の音楽的素晴らしさ

 早速本題へ参りましょう。

 

 彼の音楽的な素晴らしさは、大きくまとめると以下の3つだと自分は考えます。

 

①声そのもの(特に声質)

 

②音楽的に万能

 

SixTONES内における音楽的ポジション

 

 順に解説(という名の考察)していきます。

 

 

①声そのもの(特に声質)

 田中樹の声の素晴らしさは主に声質、もっと言うと声の『材質』と『性質』にあります。

 

 自分が思うに、樹の声質は『金属質』です。

 

 ここからは、その特徴がそのまま歌声やラップの声にも出ているのでは?という持論を大展開します。

 では、田中樹の声における材質と性質をそれぞれ見ていきましょう。

 

材質

 まず樹の声の『材質』についてなのですが、自分は彼の声の材質が先述の通りの『金属』、もっと言うと『そこそこ安定性のある金属』(鉄以上はあると思う)だと考えています。

 樹が日頃喋っている時の素の声は、温度感が比較的クールでひんやりとしており、パリッとした張りのある硬さを感じさせます。

 歌い始めるとそれに伸びや広がりが出始め、少し温度感が足されますが、基本的に『張り』や『硬さ』はキープされたままのことが多い。

 これは金属で言う所の『延性』と『展性』であり、彼の声は歌う事で伸びたり広がったりしても『金属』という佇まいを崩しません。

 また、金属は加工すると刃物にもなります。その冷たい鋭さや素手で触れれば怪我をしてしまいそうな危うさ。ヒリヒリとした緊張感は聴く者へ切実に張り詰めた印象を与え、我々はそんな彼の歌声に息を止めてじっと聴き入る事も少なくないです。

 更に、金属は超高温で加熱すると真っ赤でドロドロの状態になり、途端に素人がとても扱えるレベルではない危険性を持ち始めます。

 実際、田中樹の熱いラップや熱い歌声の攻撃性・危険度・不用意に近付いたらヤバそう感は凄まじく、その様は『真っ赤でドロドロにした金属を聴衆の耳にそのまま流し込んでいる』とも例えられます。

(特に分かりやすいのはIN THE STORMのラップかな。他にも沢山ありますよね!)

 

 

性質

 続いては声の『性質』について。

 ここでいきなりなのですが、私のとある思い出話をさせて下さい。

 

 2020年に行われたSixTONESのデビューツアー『TrackONE-IMPACT-』に運良く当選した自分は、ジャニーズのコンサートに参加するのが初めてだったこともあり、当日起きた全ての出来事にひたすら驚き続けていました。

(公演途中に1回以上は頭がオーバーヒートした感覚があった。ボンっ!と音がする感じ。)

 しかしながら、半端ない情報量と衝撃を身体にカチ込まれつつも、印象的だったことはしっかり記憶に残っているもので。

 その残っていた記憶の1つが、『全員で歌う時(特にRollin'のサビ)に樹の声がめっっっちゃ聞こえてきた』こと。

 これは非常に驚きました。自分はてっきり、ボーカル前衛組のきょもかジェシーの声が1番聞こえるだろうと思っていたので。

 以降何度もテレビ等でSixTONESの歌を聴きましたが、どうもライブで聴いた時ほど樹の声が聞こえてくる感じはしない。

 となると、樹の声がライブの時に目立っていたのは『声量が大きかったから』ではなさそうだぞ。むむむ??

 

 …ここで、やっと私は気がつきます。

 ライブの全てを通してずっと樹の声が目立っていた訳じゃない、『全員ユニゾンで歌っている時』に目立っていたんだ!

 これが意味するのは即ち、樹の声が『他の声に溶けにくい』性質を持っている事に他なりません。

 そして彼の持つこの『声が溶けにくい』性質もまた、声の金属質を助長する要因の1つだと考える事が出来ます。

 安定性のある金属は、基本的に劇薬でしか溶かす事は出来ません。平たく言えば『簡単には溶けねぇよ』ということですね。

(理科の授業みたくなってきましたね…。笑)

(余談ですが、金属"質"を通り越して完全なる『金属声』を持つ稀有な方と言えば声優の金田朋子さん。あの声は特徴的な構成要素が多くそのどれが欠けても出来上がらないと思うのですが、その中の重要な要素の1つが金属声だと思われます。硬さもさる事ながら絶対に溶けなさそう。例えるとすれば、『ちょうど折れないギリギリの細さの金の針金』といったところでしょうか。興味深い声の方です。)

 

 

この声質のラップにおける利点

 ここまでの話で田中樹の声が金属質である事は分かって頂けたでしょうか?

 ではここらで1つ、彼のラップについて。

 樹は俺らのラッパーですから、やはり彼の声質がラップにおいてどう利点なのかも言及しておく必要がありますね。

 

 金属質な声はラップという歌唱法との相性がはちゃめちゃに良いです。

 

 自分の思う大きな利点は2つ。

 

 まず、金属質な声の持つ『硬さ』は音の粒をより明瞭化させます。

 これはちょっと例を挙げて説明しますね。

 お近くにある音の鳴りそうな食器を1つ持ってきて頂けますか?そいつを、箸と1本指とをそれぞれ使って、同じくらいの強さで叩いてみて下さい。2つの音を聞き比べてみると、間違いなく箸の方がキンッとかチンッとかの『角ばった音』がすると思います。それが『音が硬い』という感覚です。

 また、硬い音が出る箸の方が音の縁取りがキッチリある感じで、柔らかい音が出る指だと音の縁取りはもんやりして聞こえるはず。これが音が相対的に硬い時に起きる『音の粒の明瞭化現象』(適当な我流呼称w)というわけです。

 この硬い音による音の明瞭化現象によって、ラップにおいては『滑舌がより良く』『1音1語がよりハッキリ』聞こえるようになる効果が見込めると言えます。これが1つ目。

(今の話、音楽に直接関わった経験のある人や勘が良い人からすると、分かる分かる案件又は既に知っとるよ案件だと思います。)

 

 次に、『声が溶けにくい』性質は『周りの声に埋もれにくくする』効果をもたらします。

 早い話が『金属質の声なら他の声に埋もれる事なく、聴衆の耳にそのままハッキリと届きやすい』ってことです。これが2つ目。

 

 上記の2つの利点を持つ声を既に持っているってのは、ソロラッパーは言わずもがな、周りに声がある状態でラップする人、即ちグループに所属しているラッパーにとってはかなり大きなメリットだと思いませんか。

 

 俺らのラッパーは、素の声の時点で既に強いってことです。最高かよ!

 

 

②音楽的に万能

 文字通り『田中樹は音楽的に万能だ』という話なんですが、本件に関しては特に声を大にして語りたい!

 

 この際ハッキリ言ってしまいます。

 今の田中樹は音楽的に必要とされるであろう能力をほぼ完璧に網羅していると考えて良い。

(と自分は思っています。と言いつつも個人的にはほぼ『確信』しています。)

 

 ラップが出来る。歌える。ハモリもいける。この時点で音感とリズム感と滑舌が良いのは確定です。そんで音楽的な器用さもあると思う。

(ラップやって歌ってハモリもやるなんて器用じゃねえと出来んだろ。凄すぎん?)

 パフォーマンス力もある。自分は少なくとも2020年以降は確実に、彼がライブや音楽番組等のパフォーマンスで『音楽的に』失敗していた印象が全くありません。

 その上、彼は音楽的センスが余りにも良い。聴衆の気分をキャッチするのも上手く、我々がやって欲しいことは全部やってくれます。こちらが熱くなりたい所は熱く、魅せて欲しい所は魅せる。それを毎回、全部をセンス良くこなします。絶対に嫌な違和感を感じさせない。

 リリックも書けます。つまり制作も出来る。勿論きちんと音源として売り物に出来るレベルです。しかも現にそのリリックと音源で聴衆を沸かせている。

 

 彼は音楽に関して百発百中です。

 あんまりに凄い。

(こんなんファンとしてのバイアスがかかりまくったお前の個人的主観だろ!と言われればそれまでです。が、そもそも一般人の考察ブログなんてものは主観を丸めたおにぎりなのでその手の主張を私は気にしません。ここに宣言しておきます。…少々強気で書いています。笑笑)

 

 さて、田中樹が音楽的に万能であることに気がつくと、必然的に気になる事が出てきます。

 

 彼は一体全体、どうやってこの万能さを手に入れたのか。

 

 あくまでも推測と空想の域を出ない話として聞いて頂きたいのですが、樹の音楽的万能さの礎は『膨大な量の音楽を聴いてきた』こと、そしてそれを『継続している』ことにあるのではないかな、と思います。

 雑誌等で、樹本人の『とにかくずっと音楽を聴いている』『トレンドのサウンドは常にチェックしている』『寝る時にはHIPHOPを聴く』といった発言は頻繁に見かけますよね。

 他のメンバーからも、『ゴリゴリのヒップホップがずっと流れているのが樹部屋』とか『樹はいつも音楽を聴いている』とか言われているのを良く耳にします。

 このようにして樹が聴き溜めていった音楽達は、彼の音楽的な引き出しを増やしたはずです。今も尚、それは増え続けている。 

 そして、音楽的引き出しをどんどん増やしている故に、田中樹の音楽的学力のようなものが『あるライン』を越え始めたのではないかと自分は予測しています。

 

 実は、この『樹の音楽的学力みたいなものがあるラインを越えること』は、『数学を極め切った人の生き様』と限りなく近いものがあるなと自分は感じていてですね…。

 

 数学を好きで極めるタイプの人達は、手軽に買える既存の参考書や問題集に載っている問題を必ずどこかしらのタイミングで全て解き終えます。別解も全て頭に入っている。それらの問題を解く為に使う公式の証明までをもやり尽くし、いよいよ奴等は『数学的に暇だ』と言い始めます。(そんな奴が実際に同じクラスにいた)

 中高大と手元にある問題を解き尽くし、飽きてしまった数学狂い共がその次に何をしようと思うか。(こんな書き方してごめん)

 新しい数学の定理を見つけてやろう、まだ誰にも解明されていない予想を証明してやろう、数学に新しいジャンルを作ってやろう。

 各々が数学内のやりたいことで、論文という名の作品を制作し始めるわけです。

 それに成功すると、世界の数学好きの間では大騒ぎになります。その人は『数学史に新たな歴史を刻んだ』として表彰されたりニュースになったりする…。

 

 …これの音楽狂いver.のルートを田中樹は辿っているんじゃなかろうか。

 自分にはそう思えてなりません。

 

 本筋から少々逸れるのですが、田中樹のいよいよ手がつけられない凄さは、あの音楽狂いめいた『音楽を1日中聴き続ける』とか『寝る時にHIPHOPを聴く』とかいう行動を本人が何の疑いもなく『当たり前』として認識していそうな所にあります。いや多分してると思う。

 良い意味で何かに対し狂っている類の人々は、皆往々にして自らを狂わせたものに関する己の言動や考え方に疑いを持ちません。『偉人 クレイジー』とか『ミュージシャン 逸話』とかで検索をかけたらこの世のものとは思えん話がまぁゴロゴロ出てきます。

 まあ検索して出てくるような突飛な事はやらなかったとしても、樹のマインドやスタンスはかなりその手の人に近そうだなと思っていて。

 

 もし樹がその手の音楽狂いならば、作詞作曲をすることや、作品を世に放とうとすることは本人にとってもごくごく自然なことでしょう。

 そんでそれらの音楽作品のうちのどれかが、世界の音楽好きの間で大騒ぎされるレベルに達するんじゃないかと私は考えてしまうんです。

 そう遠くない未来、樹が世界的バチイケ曲を作ることは決して夢なんかじゃない。

 

 仮の話ですが、もしSixTONES全員がそれぞれ完全自己プロデュースのソロ音源を出すことになり、『1人分の音源だけ聴かせてやる』と言われたら。

 SixTONES箱推しの私は、苦虫を噛み潰したようなくちゃくちゃの顔でこう言うでしょう。

 『田中樹の作った音源を聴きます。』と。

 

 

SixTONESにおける音楽的ポジション

 ここからは、①と②の内容をSixTONESに還元する際の話をします。

 

 まず!全てを放り投げてでも書くべきは、

 SixTONESのユニゾンの要は田中樹』

 ということ。

 

 声が金属質である事は一見するとグループの中で『浮く』現象を起こしてしまいそうな気もしますが、樹に限ってそんな事はありません。

 持ち前の音楽的万能さをフル稼働させ、その場に応じた最適解、即ち満点の声を用意し、毎回きちんとSixTONESの面子を保たせている。

 加えて、もうこれはほんと激烈に素晴らしいなと思うんですけれども、声の観点から見た時、田中樹はSixTONESのユニゾンの『パッケージ』の役割を果たしているんですね。

 以前別の記事で髙地優吾の音楽的素晴らしさを語り散らかした時に、『髙地の声はメンバーの声を緩やかに繋ぐ役割だ』という考察を大展開しました。

 髙地が緩く繋いだ声の塊に、樹が綺麗にメッキをかけて強度を足す。

 そのおかげで、6人の声が『ユニゾン』として見事にパッケージングされているのだ!と自分の中で勝手に結論付けています。

(これが最も分かりやすいのが前述の思い出話に出てきたRollin'のサビ。『6人完全ユニゾン』だからこそ、樹のメッキがめちゃくちゃ良い仕事をしています。ライブ円盤だともっと分かりやすいかも。ただ無闇にハモりゃ良い曲が出来る訳じゃないと分からせてくれる。必聴。)

 

追記

 重大な事を書き忘れていたので追記します。

 前述の『樹メッキ』についてなのですが、この『声によるメッキやパッケージング』は具体的にどういう作業をしているのか?という話をし忘れていました…!これ個人的に超大事。

 

 溶けにくい金属質な声の場合、ユニゾンで声を合わせるにあたって、『周りの声に自分の声を溶かす』手法は難しいと分かる。

 じゃあどうするのか?

 それズバリ、『溶けずとも馴染ませる』。

 つまり樹の声は、他の5人の声に溶け込んだ成分になると言うよりも、『5人の声を外側から馴染ませる様にしてパッケージング(メッキ)する』ことで、『樹の声』から『SixTONESニゾンの一部』になっているわけです。

(だああ!気付いて良かった〜これ書くと樹メッキの解像度変わりません?結局持論ですが笑)

追記終わり

 

 そしてここぞという時には、超高温に熱した歌声やラップをオーディエンスの耳に容赦無く注ぎ込む。融解した金属を扱う操作は、比喩的にも実質的にも読んで字の如く職人芸。

 

 更に、樹の持つ音楽的な引き出しの多さは、必ずやグループの為に役立ちます。

 てかもう既に本人もSixTONESもそれを分かった上で役立てていると思う。

(So Addictedは勿論、SixTONESANNの36局ラップチャレンジとかね。きっと私が見えていないだけて他にも山程あるんだろうなぁ。)

 

 田中樹、ありがとう。

 

 

 

 

髙地優吾の音楽的素晴らしさを語り散らかした前述の記事はこちら↓ご興味あればぜひ。

shea-butter-six.hatenablog.com

 

 

 

 

あとがき

 冒頭にこう書きました。

 

 "強かな奴って、カッコ良いと思いませんか。"

 

 自分は、この『強か』という言葉が他でもない田中樹の為に出来た言葉なのではなかろうかと思ってしまう。

 

 『強か』という言葉には2つ意味があります。

 

 1つは、『自らの為に賢く計算高く立ち回るさま』という意味。

 音楽面で、毎回賢く計算高い判断をする樹。

 それ以外の部分でも、彼は上手くクレバーな立ち回りをする事が多いです。

 その言動を見ていて感じる事があります。

 彼とって、この意味における『自ら』とは『俺を含むSixTONES』なのではないか、と。

 

 もう1つの意味は、『周りからの圧力には容易に屈しないほど強い』という意味。

 どうやら本来はこちらの意味だそうです。だから『強か』と書いて"したたか"と読む。

 樹の声は時に、他の追随を一切許さぬ『底無しの強さ』を発する事があります。

 その声でぶっ放されるラップはとてつもないエネルギーの放出で、彼は有無を言わせず聴衆を圧倒し、百発百中で仕留めます。

 

 音楽面以外でも、田中樹の強かさに他の5人が助けられているであろう事はそれとなく感じられますよね。

 team SixTONESも、幾度と無くそれに助けられている自覚があるんじゃないでしょうか。

 少なくとも自分は、その様に思っています。

 

 強かな男の田中樹に、心からの敬意と感謝と愛を込めて。

 

 ここまで読んで下さった猛者にも、心より感謝申し上げます。

 

 彼と彼を大好きな人がそれぞれにとって幸せでありますように。