磨くは原石、精製は油脂

SixTONESについてのごくごく個人的な話をします。

『SixTONES』と書いて『推し』と呼ぶまでの経緯を話す。

 貴方に『推し』はいますか?

 その推しを『己の推し』として認識した瞬間はありましたか?

 

 自分には、『推し』がいます。

 推しの名前は、『SixTONES』と書いて『ストーンズ』と読みます。

 思えば、彼等を『己の推し』として認識するまでに、結構な時間がかかった様な気もします。

 しかしながら、ふと気が付いた時、自分は『SixTONES』と書いて『推し』と呼ぶ様になっていました。

 今回は、そのいきさつをお話しします。

 所謂『沼落ちブログ』ってやつですね。当ブログを始めてから約5ヶ月にして、とうとう沼落ちブログを書く時がやって来ました。

 ご興味ありましたら、どうぞ最後までお付き合いください。

 

 

 

 

 

第1章 目視

 2019年の初頭。

 丁度その頃の自分は、『ジャニーズ』に対して、大きな興味と関心を抱いていました。

 『ジャニーズっていう組織が概念化してるって凄くね?』と思い立ち、『ジャニーズ』と呼ばれる概念・存在や組織そのものへの興味を持ったのです。

 

 以来、Googleの検索欄に『ジャニーズ』とかグループ名とかを打ち込んでは、連日連夜Wikipediaを隅から隅まで読みました。

 思い返すと、この期間があったお陰で、ジャニーズの歴史や沿革、所属タレントの名前やグループ名がある程度頭に入ったのだと思います。

 ここで初めて、自分はメディアで当然の如く扱われているジャニーズについてのあれこれをちゃんと知りました。

 例えば、『ジャニーズ事務所の社長(当時)がジャニーさんことジャニー喜多川氏である』、『ジャニーズはCDを出す事を"デビュー"と呼ぶ』、『デビューしていない子達はジャニーズJr.と呼ばれており、先輩のバックダンサーをしている』、『歌って踊る人達だけの事務所ではない(《花ざかりの君たちへ》の中津はジャニーズ)』、『先輩はくん付け』等々。

 調べれば調べる程分かる、圧倒的な規模。ジャニーズって凄いんだ。桁が違う。

 上記の様な知識を得つつ、一定期間に渡り、自分はジャニーズについてググり続ける毎日を過ごしました。

 

 にも関わらず、時間と興味とスマホの充電は一向に減る気配がありません。

 

 そこで自分は、YouTubeに手を出します。

 YouTubeの検索欄にジャニーズ関連のワード(グループ名や名前)を打ち込んでは、これまた連日連夜動画を観る日々が始まりました。

 この辺りは最早、好奇心半分、惰性半分です。

 ネットサーフィンもそうでしたが、動画を観ていると簡単に時間が溶けます。1回検索すれば、関連動画を辿って行くうちに1日が潰れる。1日1検索という名の消耗。

 

 その時も自分は例に漏れずYouTubeアプリを開き、検索欄に何気なくこう打ち込みました。

 

 『ジャニーズ』

 

 今思うと、それまでに何故このワードで検索しなかったのかが不思議でしょうがありません。もしかしたら検索していたのかもしれませんが、例のチャンネルには目が行かなかったのでしょう。

 しかしながら、この日はそのチャンネルが目に留まりました。

 『ジャニーズJr.チャンネル』との出会いです。

 

 へぇ、ジャニーズがYouTubeやってんだ。

(この頃には、先述のググりまくった日々のお陰で、ジャニーズがYouTubeをやる事の珍しさを理解出来る様になっていました。)

 そう思って、何気なく再生し、いくつかの動画を観たと思います。

 ジャニーズJr.ってグループあるんだ。なんかいっぱいいる…。結構YouTubeっぽい事やってんな。

 

 …ふと我に返りました。とある動画を1本最後まで飛ばさずに観終えていたのです。

 ん?通しで観てた?マジか!普通に面白かったぞ。てかコメント欄開けてんのか…結構盛り上がっとんな、しかも気持ちの良いコメントばっかやん。へええ!

(偏見も偏見且つ無知過ぎて大変恥ずかしいのですが、当時の自分は、そもそも何も知らない奴がネット上で気軽にジャニーズタレントについて言及する事さえ危険だと思っていました。とりあえず、『ジャニーズ界隈=危険』のイメージがあったのです。)

 その動画が何の動画だったかは思い出せませんが、喋ってるか食ってるかの動画だった様な気がせん事もない気がします。

(パフォーマンス系でない事は間違いない。)

 

 自分はこの様にして、SixTONESとして存在する彼等を初めて目視しました。

 

 

第2章 既視

 彼等の動画を観始めてすぐ、自分は強烈な既視感に襲われました。

 あれ、この人"達"を知っている気がする

 

 まず、動画を観るに連れ各人の顔と名前が一致した事で、何人かに見覚えがある事に気付きます。

 Rの法則ジェシーとジュリだ。前の席でよく喋って目立っていた人達やん。この2人ジャニーズだったのか。

(あの番組に出ていた男の子の中で唯一名前と顔をちゃんと覚えていた2人だったので、まずはここに目が行きました。)

 森本慎太郎!知ってる!スノープリンス合唱団の慎ちゃんでしょ。『せーかーいーはいーまー』のやつ。手話で小さな子達が歌ってた真ん中の子。確かGTOにも出てたよね?その時も『あ、慎ちゃんだ。』って思った記憶がある。というかそもそも森本慎太郎って名前と文字列を知ってるわ。いかついお兄さんになっとんな。ジャニーズだったのね…大きくなって。

(スノープリンス合唱団がしょっちゅうテレビに出ていた当時、真ん中で歌う慎太郎を見て、何故か子供ながらに漠然と『何かこの子可哀そう。悲しいのかな。』と感じていたので、彼も印象に残っていました。曲のせいだろうか?)

(GTOの方は、人生で初めて自ら好きになった芸能人である本田翼さんが出演していたので、彼女目当てでやんわりとチェックしていました。ニッセンっていう洋服とか靴下とかの通販カタログにモデルとして載っていたばっさーを一目見て、『この子可愛い!』となりすぐに名前を確認した思い出。)

 髙地優吾って聞いたことあるな…あ!この顔深夜番組で見たことあるぞ。学校の設定のやつ。右端に座ってる人だ。あの人もジャニーズなんか。

(自分の居住地域はスクール革命!の放送時刻が深夜なので、当時の自分からすると深夜番組のイメージだったんですよ。ジャニーズに興味関心を持つ以前からテレビで深夜番組を観まくっていた時期があり、そこでスクール革命!も観ていたわけです。)

 更に、全く名前を知らなかった北斗ときょもに関しても、覚えるまでにそう時間はかかりませんでした。(動画を数本観終えた頃には普通に覚えた。)

 あれか、黒の女教師の黒幕っぽい奴だ。嫌な感じの。ちらっとしか観ていないけど、黒幕が綺麗な顔をした男子生徒である事は覚えとる。あいつもジャニーズかい!

 京本政樹の息子!!?!京本政樹って息子いたんか…言われてみれば似てんな、白いし。(そこ?)

 

 こうして各メンバーを認識出来る様にはなったものの、ずっとある事が引っかかっていました。

 

 この人達がこうして全員でいる状態にも既視感がある。

 

 そして、自分はその理由を知ります。

 彼等は、『バカレア高校』にいたヤンキー野郎共の後の姿だったことを。

 そう!偶然にも自分は、『私立バカレア高校』を履修済みだったのです!!!

(その事実に今の自分が1番驚いています。本当に!)

 昔の自分なら絶対に観ないであろうジャンルの作品です。しかし何を思ったか、数年前の自分は『AKB48の人達まみれの学園モノがあるらしいって何かで見たか誰かが言ってたな』と何とな~く思い立ち、何とな~く調べて目についたものを、何とな~く何個か観ていたんですよ。

 その何個かの中に、『私立バカレア高校』も含まれていたわけです。

(おそらく筆者の世代的にAKB48はドンピシャで、それはそれは巷も周囲もAKB48や彼女等のファンばかりの時期がありました。流行りのアイドルや芸能人に興味が薄かった当時の自分も、AKB48の有名な曲やメンバーを知っていたぐらいです。裏を返すと、一般人にも気軽なコンテンツを沢山持っていそうな芸能人としてAKB48しか思いつかなかった、とも言えます。)

 そういやあの時にも、『スノープリンスの慎ちゃんだ、へぇ』って思ったわ。

 そうかそうか、謎の既視感の正体はここにあったのだ。

 

 

第3章 凝視

 SixTONESを目視した直後に話を戻しましょう。

 

 上記の通り、彼等のことを『結構面白い』且つ『異様な既視感がある』と感じた自分は、当然の様に関連動画を視聴し始めました。ちょいちょいコメント欄を覗き、また次の動画を観る。

 察しの良い貴方はもうお気付きかもしれません。

 その通り。あの動画が目の前に現れるまでに、そう大した時間はかかりませんでした。

 

 


www.youtube.com

 

 他でもない、JAPONICA STYLEのMVです。

 今なら分かる。どう見てもこいつだけ気迫が違います。獲物を狙う獣の顔をしているサムネイル。

 しかし、当時の自分はまぁとてつもなくぼんやりとしていました。この人達ジャニーズだけどMVあるんか、ふーん、ぽち。

 

 

 ……?!ちょっと待て凄くないか。

 え?曲めっちゃ良いな!誰や?!SixTONES(ストーンズ)?なるほど、さしずめ『SixTONES』と書いて『ストーンズ』と読むんやろうな。てかこの人達さっきから観てた動画のストーンズかい。いやとりあえずこれは凄い!!!凄いぞ!!!

(思い返してみると、初めてSixTONESの文字列をちゃんと見たその時から、まず始めにツッコみたくなりそうな『SixTONESと書いてストーンズと読む』事に、一切の疑問も抵抗も感じなかった記憶があります。英単語の様に受け入れたのだろうか?)

(余談ですが、自分は本当に良いタイミングで彼等に出会ったなと常々思っています。と言うのも、自分は彼等の事を認識して以降に、何度かYouTubeアーティストプロモキャンペーンの広告を実際の広告として視聴出来たのです。

調べてみた所、SixTONESの起用されたアーティストプロモキャンペーンは、2019年の1月11日をもって終了していました。自分が彼等を知ったのは2019年の初頭です。あと少し遅かったら、SixTONESを知った上であの広告が動画の前に流れる様子を見られなかった。本当にギリギリでした。運の良さと、過去の自分に感謝しています。)

 

 衝撃でした。

 何回か繰り返して観た様な気もします。

 間違いなく言えるのは、このMVが自分をSixTONESのいる方へ向かわせた最大要因であったという事です。

 

 間髪入れずに、SixTONESの動画を漁りました。

 他の歌っている動画を観たい。ライブ映像あるわ観よう。

 …良い。全部良い。しかも生歌っぽい所もあるな…いやまだ分らんぞ。

 レコーディングの動画もあるやん観よう。

 …めちゃくちゃ歌えるやん。歌が上手い。間違いない、このジャニーズアイドルは歌が上手いぞ。

 

 SIxTONES。この人達凄いわ。凄い人達見つけちゃったよ!

 その後も自分はただただ、画面の中で歌う彼等を凝視し続けました。

 

 

第4章 注視

 歌う彼等をひとしきり観て満足した自分は、情報収集用に使っているフォロワー0人のTwitterアカウントでその旨を呟きました。

 確か、『SixTONESっていう人達のMV観たけどめっちゃ良いやん。』みたいな感じの、もう本当に個人的な呟きだったと思う。

 すると、そのツイートは瞬く間にRTといいねを押され、このアカウントには決して来るはずのない(と思っていた)通知が来ました。

 へ?!?!何が起きとるんや?!

 該当ツイートにRTといいねを押してくれたアカウントを覗いてみると、どうやらこの方々はSixTONESのファンで、SixTONESを知ったばかりと思しきツイートに反応しているらしいのです。更に、この『スト担』を自称する人達は、かなり人数が存在し、その多くがTwitter上で活発に動いているようで…。

 こうして『スト担』の存在を知った自分は、素直に感じました。

 『この人達、なんか面白い。

 

 『SixTONES』のみならず『スト担』にも興味を持ち始めた自分は、その『スト担』なる人々を観察する様になります。

 Twitterの検索欄にSixTONES関連のワードを打ち込み、引っかかったツイートを眺め、知らない単語が出てきたらGoogleで調べる。

 担当("推し"より重い感じがする)、自担(身内感あるな)、同担拒否(そんな概念があるのか)、ファンサ(なるほどアイドルっぽいそれ)、○○line(今時の表現)、うちわ(結構きっちりルールがあるんや)、銀テ(最後に飛ばすキラキラね)、量産型(ジャニーズがライブやってた所の近くで何回か見た事あるけど"量産"って言える程そんな沢山いるのか?)、沼(なるほど分かりやすい)、現場(事件です)、エトセトラエトセトラ…。

※()内の文言は、当時の自分の率直な感想です※

 

 これを繰り返す事で、ジャニーズ界隈やSixTONESのファンがどういう雰囲気なのかは何となく分かった気がしました。

 まず、ジャニーズファンもスト担も、全く危険ではない。

 次に、新規ウェルカムなスタンスのスト担さんがめちゃくちゃ多い。むしろそのスタンスの人がほとんどかも。

 スト担さんもジャニヲタさんも、面白い人が沢山いる。

 そして何より、スト担さん達の言動が、どう見ても『ただのファン』の範疇を超えている。業者とか会社とかに近い。この人達、ガチだ。ガチでSixTONESを世に出そうとしている。文字通り、応援する事で力になっている。

(『ファンの方々のお陰です』なんて台詞は何回も聞いた事があったけれど、この時に本当の意味を知りました。ファンって大事だわ、と。)

 

 これらを分かった頃には、GoogleTwitterYouTubeで『SixTONES』と検索をかけるのがすっかり日課になっていました。

 Twitterでは、先述した情報収集用アカウントでSixTONES関連のアカウントを2、3フォローし、良いなと思えばいいねを押す様にもなりました。

 

 毎日YouTubeSixTONESのパフォーマンスを観る度に彼等への興味は増し、SixTONESや各メンバーについての歴史(例えば、先述した様に彼等があの『バカレア組』だった事や、衝撃が走ったあのMVは『YouTubeアーティストプロモキャンペーン』なるものの一環で、その起用が日本初であった事等)を知る毎に、彼等に対する称賛の意が積もりました。もうそれはそれは鰻登りに。

 

 特に、彼等の持つ音楽性やパフォーマンスには殊更強く惹かれました。

 やはり歌が上手い。ゴリゴリにラップする。楽曲も良い。ハモる。衣装がかっけぇ。素材としての声も素晴らしい。勿論歌声も素晴らしい。

 更に、当時感じていた(今も常々考えている)のが、『6人全員が音楽的(文化的)なルーツをしっかり持っていそうだ』という事。しかも、それぞれのルーツや特性はまるで違うが、よくよく見ると結び付きや関連性が必ずある。この人達、個としても団体としても強い…!

 そんな事まで考え出した辺りで、自分は確信しました。

 これは来るぞ。絶対来る。

 

 自分で言うのも何なのですが、筆者が今までに『これは凄い人を見つけたわ』と感じさせられた方々は、その時に丁度『革命前夜』みたいな時期を過ごしている事が少なくなかったんですよ。当人が世間的にドッカーンと広まる直前のタイミングで、その人を見つけた、みたいな。

 それもあってか、自分はこの確信という名の予感に、明確な根拠は一切無い割には無駄にでっかい自信を持っていました。

(余談ですが、冷静になってみると、『革命前夜に出会いがち説』は万人にとって当たり前っちゃ当たり前なんですよね。率直に言ってしまうと、SixTONESに限らず革命前夜を過ごしていた方々は、その時点で既に世に出て行けるだけの力があったとも考えられます。『売れそうな人を見つけた』というよりも、『時が来れば間違いなく売れる人達をたまたまそのタイミングで見かけた』というだけの話で。力はありますから、当然我々の目にも留まりますよね。あとは時間と場の問題だけ。だからこそ、革命前夜に沢山の味方を集める事は大切なのかもしれません。味方が沢山いれば、時間と場を手繰り寄せる為の総力が増えますし、行動範囲や守備範囲を広げる事も出来ますからね。)

(重ねて余談ですが、先の余談で述べた解釈の一方で、『常に誰しもが革命又は革命前夜である』という考え方も悪くないな、とも思っています。強大な何かを持っていなくても今はまだ『革命前夜』であり、いずれやって来る革命の時を待っているのだと考えれば、何だか根拠の無い力も湧いてくる気がします。あとシンプルに、日常を革命前夜だと思ってみるとテンション上がる。気分は臙脂色の旗を掲げた勇者です。我は革命前夜の勇者なり。そして貴方もまた、革命を迎える勇者である。風よ吹け!)

 

 実際、大きな自信を携えたこの確信は、間違っていませんでした。

 

 SixTONESを注視し始めて以来、やたらとTwitterのトレンドにSixTONES関連のワードが居るのです。最初はSixTONESを気にしているが故に、関連ワードが目につくのだろうと高を括っていました。しかし、それにしても彼等は出没し過ぎです。え?トレンドってそんなポンポン入るものなんか?

 原因はすぐに判明しました。しかも、超シンプルな原因。

 この時期(2019年の1月~4月)のSixTONESは、次々と新しい&大きい&異例の仕事を決めまくっていたのです。

 筆者が調べた範囲内で、該当時期にグループとして決まったor行われた、新しい&大きい&異例の仕事を羅列しておきます。(時系列はやんわり準じています。あくまで"やんわり"です。)

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  • 単独公演『CHANGE THE ERA -201ix-』(後に追加公演も決定)
  • 映画『少年たち』
  • 『CHANGE THE ERA -201ix-』ジャニーズ初のライブ生配信決定
  • ISLAND TVがスタート
  • anan 初表紙 発売2日後に重版決定
  • 関西コレクション シークレットゲスト出演
  • SixTONESとしてMステ初出演
  • BOURGEOIS バックカバー決定
  • Mr. ズドン 誕生
  • らじらー!サタデー 週替わりレギュラー決定
  • その他 大量の雑誌の初表紙、初掲載等

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 …お分かりだろうか。量も規模も内容も異常です。これでも大分削っていますからね。個人仕事を含めたらこんなもんじゃありませんよ。

 流石の自分も事の重大さを理解しました。これは大変な事が起きている。いよいよ世間もSixTONESを注視し始めた。

 現代の日本にも、革命は起こるのだ。

 

 中でも自分にとっての決定打となったのは、彼等が初表紙を飾ったananの重版でしょう。

 この時の巷は凄かったですよ。本当に。本当に凄かった。

 まず、初表紙が決まった時。勿論Twitterのトレンド1位。芸能界に疎いあの頃の自分でも、ananの表紙をやる事が凄いというのは漠然と知っていました。ここで何より驚いたのが、自分の胸中に『凄いやん!良かったね!!!』という気持ちが素直に湧いた事です。ん?何で私は『良かったね』と感じたんだ??彼等は身内でもないのに。

 今になって気が付きました。

 このポイントが、『ファン』ひいては『スト担』としての自我が芽生えた瞬間だったのだ、と。

 しかしここまで来ても尚、自分はそのananを購入しませんでした。まぁ買う程ではないかなぁ、とかなんとか言って。

 そして、発売日の2日後。2019年3月29日。またしてもTwitterのトレンド1位に『SixTONES』。

 今度は何事やいと覗いたツイートには、例のananが重版したと書いてありました。ネットニュースはこぞってその件を取り上げ、沢山並んだ『異例』の文字。喜びに溢れる大勢のスト担さん。取り扱い書店公式アカウントによる、在庫や入荷予定をお知らせするツイートの川。

 冗談でも誇張でもなく、『Twitterが爆発しとる』と思いました。

 同時に、『本当に凄い。めちゃくちゃおめでとう。』とも思いました。

 

 その日から間も無くして、自分は例のananを書店で買いました。

 本田翼と有村架純以外で初めて、表紙の人を目当てに雑誌を買いました。人生初のanan。やはり、買わねばならぬと思い至るほか無かったのです。

 この1冊は、彼等の刻んだ異例の歴史であり、今しか買えない記念碑なのだ。

 ここら辺から、『自分もSixTONESに貢献したい』という感情が生まれた気がします。それに伴って、『これがファンとしての気持ちなのか?推せるってこういう事なのか?』等と考える日々が始まりました。

 

 

第5章 蔑視

【注意】

 第5章では、過去に筆者が持っていたアイドルへの価値観等について、かなり赤裸々に書いています。使用している言葉も刺々しく、内容も不快だと感じられる可能性が高いです。

(少なくとも自分は書いていて不快だった。)

 その様な文章なら勘弁してくれ、と思われた場合は、第5章を読まずに第6章の頭まで飛んで頂く事を切におすすめ致します。本記事は第5章を読まなくても(多分)違和感なく読める様になっていますので、遠慮なく下記ボタンをご利用下さい。

 →第6章に飛ぶ

 読んでやっても良いよ、という方は、このままお進み下さいませ。

 それでは、貴方の選んだ続きへどうぞ!

 

 

 

 

 実は、『SixTONESのファン』を自認する事に、当時の自分は少なからず抵抗がありました。

 『自分はSixTONESのファンだ』と自認する事は即ち、『自分はジャニーズアイドルのファンだ』と自認する事です。

 私は彼等を、『ジャニーズ』又は『アイドル』として好きになったのではなく、彼等の音楽を好きになったのだ。見た目が綺麗なのは結構だが、別にそこは重要ではない。それなのに私は今、所謂『ジャニヲタ』ってやつになろうとしている?

(あああ昔の自分の思考を書いていたら胸糞悪くなってきました。無論、今は断じてこの様な考え方はしておりません。SixTONESに出会わなかったらと思うと恐ろしいですね、危うくこんな思考回路のままで死ぬ所でした。)

 

 ここまで本記事を読んで下さっている方はもうお気付きでしょう。

 正直、彼等を好きになるまでの自分は、ジャニーズに限らずアイドルやアイドルファンを散々斜に構えて見ていました。端的に言って、アイドルを蔑視していたのです。

 勿論、曲が好きだったり、パフォーマンスが好きだったりする事はそれなりにありました。しかし、それを行う人がわざわざ『アイドル』である必要はあるのか?

 アイドルが音楽番組で歌い始めたら毒づき、カメラに向かってアイドルらしいサービスをするのを見かけた時には更に毒づいていました。ジャニーズやそれ以外のアイドルのファンである人に対して、思慮の欠片も無い言葉を、何の罪の意識も持たず軽い気持ちで投げつけた事もありました。

 愚行をした張本人の私自身が覚えているくらいですから、当然自分では覚えていない数々の酷い言動もあるはずです。

 『所謂ジャニヲタってやつ』??

 ……ほざいてんなよ。

 

 不快な文章が続きました。申し訳ありません。

 要するに私は、客としても、消費者としても、人としても器が小さ過ぎた。

 それを自覚して以来、私はあの時の自分を蔑視し続けています。

 

 それ故、『スト担』を自称する事に対し、先程とはまた別の抵抗を感じていました。

 『自分はスト担だ』と自称するのは、『既にいらっしゃるスト担さんと己を同族である』と自称する事と同義です。

 恥ずべき言動を重ねてきた人間が、かつて根拠も無ければ意味も無い蔑視を向けていた相手に対して、『いやはや気が変わりました』『どうも本日から仲間に入れて下さいな』等と平気な顔で言おうとしている?
 何かの熱心なファンになった事がほぼなく、推すという経験も無い。加えて己はこの有様。

 果たして自分は『スト担』を名乗っても良いのだろうか?という葛藤がありました。

 あの方々は、本気でSixTONESの力になろうとしているし、実際に力になっている。そんな人達と同じ自称をして良いものなのか?

 

 

 

第6章 直視

 結局自分は、SixTONESを観たり調べたりする事と、自問自答する事をしばらく続けます。

 

 同時期に、ジャニーズJr.チャンネルに上がっていた既出のSixTONESの動画を全て視聴し終え、意識せずとも毎日オリジナル曲を口ずさみ、金曜日になったら新しいストチューブと少クラを観る様になりました。

 彼等からの供給に慣れ、いよいよSixTONESのある生活が板に付いてきたのです。

(関西コレクションのシークレットゲストSixTONESある説をTwitterで見かけてそわそわした後、見事に彼等が降臨し新曲をブチかます様子をリアルタイムで見るぐらいになった。)

 

 その結果、自分はいくつかの欲に駆られました。

 SixTONESの情報をちゃんと得たい。彼等の事を心置きなく喋りたい。あわよくば他のSixTONESが好きな人とも話してみたい。

 彼等のライブに行ってみたい。生で彼等の音楽を聴いてみたい。

 どうしてもSixTONESの音源が欲しい。

 しかも出来ればCDが良い。既に良い曲ばかりだからこそ、音源としてちゃんと手元に残したい。

(自分は当時絶対CD派でした。ちなみに今は相変わらずCDも好きだしサブスクも使います。)

 直接『SixTONES』にお金を払いたい。

 彼等の作品、彼等の作るもの。とにかく『SixTONES』という冠が付いたものに、ちゃんと彼等にも然るべき利益が入る形でお金を払いたい。

 SixTONESを見ていれば分かった。彼等は社会人であり、プロなのだ。『アイドル』は立派な職業であり、『ジャニーズ』は屋号なのだ。

 いち消費者として、生産者であるSixTONESにお金を払わなくては。

 

 自分はこの『SixTONESにお金を払いたい』欲を自認した事により、ようやく腑に落ちます。

 私、SixTONESのファンだ。

 我が推しとは彼等である。

…と。

 

 こうして、己の中にSixTONESファンの人格が存在する真実をやっとこさ直視したわけなのですが、それと同時に、決して避けては通れぬ重大事実も目に入る事になります。

  SixTONESはまだデビューしていない』

  彼等はジャニーズです。ジャニーズ事務所は、『デビュー』という関門を突破しないと音源は売ってくれません。なんてこった!由々しき事態。

 二の足を踏んでいる場合じゃねえや。まず彼等を優先しよう。『スト担』を自称出来るか否かの自問自答は今やるべき事ではない。この議題は、彼等を応援しつつ考えれば良い。

 とにかく今は、加勢すべし!!!!!!

 

 腹を括った自分は、2019年5月1日の『CHANGE THE ERA -201ix-』ライブ配信チケットを購入。

 そして、SixTONESを推す為のTwitterアカウントを作成しました。

 おそらく、アカウントを作ったのは2019年5月1日に日付が変わる直前だったのだと思われます。今も使っているこのアカウントで、プロフィール欄にこう書きました。

 

 SixTONESが大好き。箱推し。