磨くは原石、精製は油脂

SixTONESについてのごくごく個人的な話をします。

【天才or秀才】on eST生配信で目撃した京本大我の歌唱の進化を語る。

 SixTONESの音楽面を語る上で欠かせないボーカル前衛組の1人、京本大我

 

 元来より歌えるジャニーズとして名を馳せ、数々のミュージカルにも出演。

 ジャニーズファンだけでなく、音楽好きやミュージカルファン、関係各所から一目置かれている存在であることは皆様ご存知でしょう。

 

 そんな彼は先日の配信ライブ『on eST』でもまた、更に進化した姿を魅せてくれました。

 

 自分は配信を観終えて余韻に浸りつつ、始めは『SixTONES可愛い』だの『SixTONESすごい』だのと脳汁垂れたツイートをしていましたが、ふと我に返って思いました。

 

 きょも、また歌上手くなってねぇか?!!?

 

 

 今回は自分が観賞したSixTONESの配信ライブ『on eST』の1/7 昼夜2公演、その中でも本編最後の曲であった『Life time』に焦点を絞り、そこで自分が感じた京本大我の歌唱(特に表現の手法)の進化について勝手に考察します。

 

 

 

『Life time』で目撃した京本大我の進化

 

序章(概要と保険)

 まず結論から言います。

 京本大我の歌唱において自分がこの曲から強く感じた進化。

 それは、彼が『発音による味付け』を本格的にやり始めたことです。

 

 以前同配信ライブの感想を書いた時、『Life time』について下記の様な話を書きました。

 

 途中京本無双タイムありましたね!

 京本大我さん、英語の発音がめちゃくちゃ上手くなったことで『発音でニュアンスをつける』手法を本公演通して多発していたように思います。

 この件に関しても別途書くつもりです。

 相当長くなりそうなので。

 

引用した文章を含む配信ライブon eST 1/7公演の全曲感想記事はこちら↓ご興味あれば是非。

shea-butter-six.hatenablog.com

 

 この『別途書くつもり』だった、『相当長くなりそう』な話を今からします。

 

 尚、この記事における内容はあくまで筆者の個人的見解です。自分は音楽的知識を分厚く持ち合わせた専門家でもなければ、音楽を仕事にしているわけでもありません。

 早い話、ただの音楽好きなだけです。

 そこんところ、どうぞ宜しくお願い致します。何か間違っていたら(できれば優しく)教えて頂きたいです。

 

 

第1章 前提の共有(軽めの音楽講座)

 このブログで以降の話を展開するにあたり、まずは前提の共有を行おうと思います。

 と言いますのも、音楽の知識(極微量)を全く使わずして彼の歌唱の進化について考察し書くのが自分にはどうも難しかったんです…。

(ついさっき『拙者に音楽的知識はございません』的なこと言ってた矢先にこの有様、どうかお許しを…!)

 故に、まずはその極微量の音楽知識を説明し、その上で本題に入っていきます。難しいことは全くありませんので、大丈夫!

 

 まず、音の

『アタック(発音)・中身・リリース(終わり方)』

と聞いて、既に知っている又はイメージが湧く方は、以下の説明は読み飛ばして頂いて構いません。この記事では上記の『』内の観点からきょもさんの歌声を考察するつもりです。

 ではお先に第2章へ行ってらっしゃい!

 

 

 

 さて、何のこっちゃ分からんって顔してらっしゃるそこの貴方。怖がらないで下さいね。

 アニメ富豪刑事の神戸財閥からの挑戦状や、うやむやの暗号はじめチムソニの企みに頭をいつも使っている(使わざるを得ない)スト担の貴方ならこんなん余裕ですから。So easy!!!!!!

 

 では、早速参ります。

 そもそも『音』というものは

 ①発されて、

 ②一定時間鳴り続けた後、

 ③消えます。

 

 この音が『歌声』(又は楽器)だった場合、

 ①発音して(声を発して)、

 ②それを一定時間続けて(声を出し続けて)、

 ③それを辞める。(声を出すのを辞める)

 

 ってなりますよね?

 上の話に出てきた①そのもの・そのやり方のことを『アタック』、③そのもの・そのやり方のことを『リリース』と音楽の専門用語内では呼びます。

 加えて、自分は個人的に①を『発音』、②を『中身』、③を『終わりor終わり方』とも呼んでいます。これは完全我流の呼称です。

 

 図式化すると、

 『あーーーーーー。』(声)

  |ーーーーーーー|     (音の模式図)

       ↑                        ↑

      ①   (間が②)      ③

 

 こんな感じでしょうか。

 音と言うものはこれら①〜③のステップが無いと成立しません。全ての音、全ての音符がこのステップにより成り立っています。歌声も同様です。

 そして、歌う時にこの①・②・③それぞれに変化を加えたりそれを組み合わせたりする『味付け』を行うと、それが『表現』を行う為の手段になるんですね。

 例えば、カラオケ採点の加点になる『こぶし』は①、『ビブラート』は②や③に味付けする技法とも言えます。

 

 …イメージ湧きましたかね?(頼む伝わっていてくれ頼む)

 

 では、きょもの歌について①〜③の観点から考察して行きます。

 

 

第2章 京本大我のこれまでの歌唱

 自分はon eST配信ライブを観る前まで、きょもの歌唱に対しては『音の中身や全体で(第1章で説明した音の②の部分や音全体に)味付けをする』印象を持っていました。

 分かりやすいのがBeautiful Lifeの『未来へ急げ』(ビブラートによる音の中身と終わり方の味付け)とか、love u...の『見つけたonly only one』(歌い方そのものをちょい投げやりめにして落ちるような音色にするそのフレーズ全体の味付け)とか。

 音の中身を途中から変化させたり、部分的に音そのもののニュアンスや音色を差し替えたりすることは、元々から彼の良くやる表現の為の手法だと自分は思っていたわけです。

 

 ここで1つ、少々話の筋から逸れつつも大声で言いたいのが、きょもの歌唱技術はこの内容でも十分過ぎるほどに凄いということ!

 もっと言うと、彼の本当の凄さはこれらの味付けを何度やっても毎回ほぼ同じように出来てしまうところにあります。

 例えるならば、『何かしらの球技で毎回全く同じコースを同じ様な動きで通るようにボールを動かす』とか、『何かしらの料理を毎回全く同じ味・食感・見た目で出す』みたいな内容にかなり近いことをきょもは歌でやっているんですよ。凄くないですか?!

 彼の歌には圧倒的な再現性があります。

 つまり、きょもの場合は『気持ちのまま歌っていたら偶発的に良いニュアンスが生まれちゃった』というわけではなく、努力して歌唱技術を習得し、それらを利用した表現を意図してやろうとしているんじゃないかな、と。

 彼は本物の『歌手』なのです。プロです。

 以上の点からしても、彼が努力家であり練習の虫であることは容易に想像出来るよな、と思っています。

 京本大我の歌唱表現における再現性の高さを確実に摂取したい方は、各音楽番組で披露している彼の歌唱をよく聴き比べてみることを切におすすめします。(個人的には特にNEW ERAが超お勧め!)

 『あ!ここ意図して毎回やっとるだろ!!』ってなる事象が多発するはずです。

(特にNEW ERAのAメロはめちゃくちゃ分かりやすい。ありゃもはや職人技です。必聴。)

 

 

第3章 on eST生配信で見た歌唱の進化

 今回のきょもは一味違いました。

 以前の味付けスキル(音の中身や全体に対しての味付け)に加え『発音による味付け』までをも使い始めたんです!

 管楽器をやったことある方は分かるかと思うのですが、以前よりあったスキルが『音色・ビブラート・楽器そのものやマウスピースやリードを変える』テクニックだとすると、今回私が初確認したのは『タンギングや発音を変える』テクニックです。伝わる人限られてんな〜笑笑

 管楽器をやったことない人でも、今回私がきょもの歌に初確認したのはアタック(音の①の部分)での味付けと言えば分かって頂けるかと思います。

 

 それが個人的に最も分かりやすかったのが、生配信ライブon eST本編最後の『Life time』だったんですね。(やっと出てきたLife time)

 特に注目したいのは、『君と超えてく Hard times』の部分。

 まず日本語部分の『君と超えてく』をクリアに歌い、その後の『Hard times』をガッツリ英語発音することで、英語発音でしか生めないニュアンスを作り出しているんです!!

(余談ですが、英語の発音による味付けにおいて金字塔の1人はやはり平井大さんでしょう。英語を素晴らしいニュアンスで発音されるのもさることながら、この方の凄いところは日本語を英語的発音で歌って見事に味付けしてしまう点です。って関ジャムで言ってた。笑

でも本当に素敵なのでお手隙の際にでも是非聴いてみて下さい。やっぱり英語特有の発音によるニュアンスが使えるようになると音楽的に強いんですよね〜。グルーヴ感。英語の発音が上手くなった時点で歌が良くなることはある意味確約されているのかもしれない。)

 もっと凄いのはここから、京本大我はただ英語発音するだけでは終わりません。

 なんとびっくり、『Hard』と『times』の間に息を混ぜつつ、子音[r]の発音を引っ張りながら、子音[d]と子音[t]をごく微量混ぜて『times』を発音していたんです。

 そうするとあのきょもパートのニュアンスが出来上がるってわけなんですよ!!(大興奮)

(という個人的分析です。笑)

 

 上記の味付けを京本大我さんは昼公演オーラス共にやっていたんですね。(ここでまた出る京本大我の凄さ。プロです彼はプロなのよ。)

 

 これをやる為には間違いなく『発音で味付けをしよう』という概念が無いと出来ないはずだと自分は予想しています。

 もしくは『こうすると聴こえ方が気持ち良いな』という感性・センスがずば抜けているか。

 どちらにせよ凄いことです。秀才と天才の違いみたいなものです。アプローチが違うだけで、2公演ともちゃんと同じように発音で味付けしているのは結果どちらでも凄い。

 

 彼は一体この先、歌で何処まで行ってしまうんでしょうか。自分は期待とか楽しみとかを通り越して一抹の恐怖さえ感じています。

 と同時に、底無しの心強さも感じています。

 こんな人がメンバーって最強やんけ!!

 

 

第4章 京本大我と歌とSixTONES

 以上の内容から分かる様に、彼はきっと歌に対して並々ならぬこだわりがあるのでしょう。

 きょも本人が雑誌やラジオ等のメディアで『ジャニーさんにYouはグループにいるのは合わないよと言われていた』と言っていたのも、ある種納得出来てしまう部分があります。

 グループ全員が彼の歌や音楽に対するこだわりを認めた上で、それについて行く又は並走出来るなんてことは滅多に無いはずなんです。

 ついて行く為には忍耐と根性と彼への並々ならぬ愛が必要ですし、並走する為にはきょもに匹敵するだけのスキルや心意気が必要です。

 そんな上手いこといくわけあるかよって?

 私もそう思う。

 

 だけど現に上手くいってるんですよ、 

 SixTONESは。

 

 SixTONESの雑誌のインタビュー等で、きょもが以前よりずっと人一倍プロ意識が高いことや、それ故に他のメンバーとの仕事に対する温度差を感じたことからその昔グループを抜けようと考えていたことについてはちらちらと言及されています。

 

 それでも京本大我は今、SixTONESにメンバーとして居ます。

 それは紛れもない事実なんです。

 

 自分はそれが全てだと思っています。

 それが京本大我の出した答えであり、彼と歌とSixTONESとのあるべき姿なのだと。

 

 

あとがき

 音楽的観点から見れば、京本大我は今後もきっとより益々進化するであろう、期待値の高い超高性能な楽器です。

 

 そしてSixTONESから見れば、彼は音楽と歌が大好きな、大切なメンバーです。

 

 どうか彼に沢山の愛と素敵な音楽が降り注いで欲しいと、切に願っています。

 

 team SixTONESに確かな歌を届けてくれるプロのアイドル京本大我に、心からの敬意と感謝と愛を込めて。

 

 ここまで読んでくださった猛者の方、本当にありがとうございます。

 

 彼と彼のことを大好きな人が、それぞれにとって幸せでありますように。